p.33 我が家に着いて部屋に上がってもらって30年ぶりのコーヒーを一杯ご馳走した。
古道具屋で仕入れた自慢の業務用ミルで挽いた豆から淹れたマンデリン。
凄く美味しいよてっちゃん、と言ってくれた。

知り合った頃に住んでいたあの調布の湿っぽいアパートで、
ヒロエちゃんもやって来て明け方までしょっちゅううだうだやってたね。
その後ほぼ同時期にみんなで西荻に引っ越しをした。
ハルナさんが西荻においでよと言ってくれたから。
そして西荻でまた同じように...

まさに幻の30年。
あの頃の続きのような一日だった。