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「北京夜曲」
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2013年秋。八回目の個展をやるために北京に渡る。
事の発端は寧々との出会いだった。
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彼女は2008年の西荻窪での個展を観に来てくれた。
人懐っこい感じでほとんど毎日やって来たのですっかり仲良くなった。
当時彼女は吉祥寺に住んでいてグラフィックの仕事をやっていた。
そして翌年中国に帰ることになった時、いつか俺を中国に呼んで仕事を依頼しますと言う。
俺は冗談半分で聞いていたのだが。
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今年の夏、突然「日本に行きますけど会えマスか?」と寧々から連絡を貰う。
会って懐かしい吉祥寺で朝まで話した。
結婚して始めた鈴木食堂というレストランの経営が順調らしい。
三号店まであって今度四号店をオープンすると言う。
そして明け方になった頃寧々は「鉄サンは北京に来マスか?」と言った。
そりゃあ行きたいよ...「じゃあ鈴木食堂で写真展をやってクダサイ」
という訳で今回の個展が実現した。
彼女は五年前の約束を果たしてくれたのだった。
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まあ、そんな話はともかく北京のアルバムを見てください。
北京の風景は非常に魅力的だった。
ノスタルジックな感じやちょっとだけデンジャラスな感じが入り混じり混沌として、
猥雑なエネルギーに満ちている感じがしたものだ。
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2013.10/9〜18
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